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AVという仕事について

今日は雨。

しっとり、ざあざあ、ぽつぽつと

雨音を変えて降り続く。

こんな日に掃除でもすればいいんだけど、

やる気にならない。

本だな。


「AV女優」の社会学  なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか  鈴木涼美 青土社

著者紹介に慶応義塾大学卒 東京大学大学院・・・修士課程修了 専攻は社会学

とあったのに、調べてみると元AVで大学在学中から数年はその世界にいたらしい。

そして、この本は東大で修士学位論文がもとになっているらしい。

へえ、そうか。


まあ、いい。

とりあえず、ページをめくる。


AVのイメージ。

とてもプラスには思えない世界だが、興味はある。


実はまだ1/3しか読んでないけど、

“AV女優になる動機について彼女たちは饒舌に語る。

・・・私たちと地続きの場所にいるようにみえる彼女たちは確かに地続きといえるような

平たんな道のりでAV女優にたどりついている。ただし、業務上求められる「仕事をする理由」について語り続けていくうちに、彼女たち自身がそれを希求しだす。”


怖いな。

彼女たちにとって、いくら自己決定でAVの世界に足を踏み入れたからって

堂々と人様に胸をはっていえるような仕事ではないと思う。

だからこそ、完全武装するためにも饒舌に話せるように訓練するのか。


10年以上前、個人の産婦人科で性感染症検査に来たセックスワーカーと

しばし話したことがあった。

これまた、よくしゃべるおばちゃんだった。

見知らぬ人と身体をくっつける。

それも、プライベートゾーンを。

もしかしたら、ひどく傷つけられるかも、病気もらうかも、

殺されるかもしれない。

命がけの仕事だ。


AVは命の危険は少ないとは思うけど、

名誉回復が不可能な特殊な人生をかけた仕事。


もし、娘がこの商売に・・・。

考えただけでもめまいがしそう。

でも、今や数千、数万というAV女優達にも親がいたはず。

ちなみに、著者の鈴木さんの父は哲学者で母は大学の先生らしい。


ポルノだとかAVの女性たちに対し同性である私は嫌悪感よりも

なんで?という感想が大きい。

決して彼女ら自身の個人的なことだけの理由はないと思う。

彼女たちが社会でどんなふうに作られていったのか。

貧困なのか、性的搾取なのか、自己決定なのか。

そして、彼女たちは利用しているのか利用されているのか。

何よりも、幸せなのか。


今は亡き心理学者の河合隼夫は「売春は魂が傷つく」と何かの本に記していた。


まだまだ無知なわたし。

世界は奥が深い。


つれあいは酒をのんでさっさと布団へ。

私と娘はダラダラと起きている。

明日もあさっても休みなので、

まあ、いいじゃないか。

寝る頃、外は静か。あめはやんでいた。


*たんぽぽ。

「たんぽぽの綿毛をふいて見せてやる

    いつかおまえも飛んでゆくから」

タンポポの日々 俵万智 

子育て中に何度も思い出しては元気をもらった句。

なつかしいなあ。

あったなあ、あんな日が。






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