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白にグレーと青を少し混ぜたような色。

湿度の高い、重そうな空気。

窓にカーテンをつけなくなって半年以上たつ。


ふと目をひらくと、朝焼けのグラデーションが

迎えてくれることもある。

うまくいくと、お月様を眺めながら

雪がひらひらと舞い落ちる様をみながら、

台風で殴りつけるような風と雨を感じながら、

眠りに落ちることもある。

小さな四角い枠をとおしてみえる世界。


窓といえば、思い出す彼女。

彼女は切迫早産で入院していた。

初産婦さん。

双子の妊娠だった。


彼女は窓際のベッドにいた。

点滴でつながれ、自由のない生活。

でも、この子たちのため今できる一生懸命をすごした。


彼女のお腹の張りが強くなってきた。

お腹の張り止めをドンドン増やしていった。

けれど、張りはおさまらない。

皆が、全身全霊祈った。


生まれた。

でも、動かなかった。

誕生死。

生まれた日が亡くなった日。


彼女は二人の小さな小さな赤ちゃんを

自分の頬に寄せて

かわいい、かわいい。青ちゃん。空ちゃん。

と泣きながら、でも笑って話しかけた。


窓から見える空。

毎日その小さな空をながめ、

生まれてくる我が子の名前を、考えたんだと彼女は語った。

小さな窓から見える世界は希望だった。

生きて、うまれてほしかった。


数年後、彼女は一人お子さんを授かった。


窓から見えるそら。

そらは地球を覆っている。

そのそらの下、誰かが窓から外の世界をみている。

皆、どんな思いをめぐらしているのか。


久しぶりに窓でもみがくか。

私はまだまだ世界を知らない。

子どものように、くもりないまなこで世界をみたい。

きれいなことも、汚いこともあるだろう。

こころの窓はくもっていないか、色はついてないか。

時に傲慢で自己中な自身への戒め。

窓から見える世界が、美しく、感謝に包まれ、喜びの中で人が育ちますように。

どうか、こころもからだも平和でありますように。


なんか、しんみりしちゃうけど、

こんな日にはこうやってしっとりした

思いに浸るのもいい。

たぶん、快晴の日には思えないな。


*すもも

町の健診やコロナの手伝いで

厚生の先輩看護師さんたちにであう。


とても魅力的な面白い方々で、

いろんな刺激をもらう。

その一人に竹を割ったような

スパッとした女性がおられる。

彼女がくれたすもも。

酢漬けもおいしいのよ。

と、教えてくれたが私はジャムにしたいな。

でも、食卓にだしていたら大方なくなってしまった。

         




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