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クマンバチ


あの黒くて、ブーンと音のする

丸い蜂。

クマンバチ。


弱っていて、

飛ぶことのできないその蜂を

ムスメ(上の)は手のひらにのせて

帰宅した。

確か小学校5,6年生の頃だった。


子育て中の記憶は

申し訳ないほど消去されてるわたし。

けれど、あの時感じた不思議な感覚を

フッと思い出す。


背が高く、英語とスペイン語を話す

新しい息子とムスメが帰ってきたのは

4月の終り。

そうか、もう

半月一緒に暮らしてるんだな。


今でこそ、

英語でお互いの想いを交換し

日常語となってはいるが

もともとはお互いの母語が違うんで

(アルゼンチンはスペイン語)

2人は慣れないコトバを用いての

コミュニケーションだったと思う。


人間という共通事項以外は

お互いの育ってきた環境、

文化、風習、何をとっても

全く違う背景。


好き。

めっちゃ好き。

それだけで、これらの障害は乗り越えられるのか。


2人を見ていてこんな

しょーもないことを母は思ってしまう。

そこで思い出したのがクマンバチ。


弱って飛べないのはわかる。

けど、毒針が・・・。

ハラハラしながらみていたあの時。


手のひらの上には、

コトバをもたず、

表情もみえない。

ただ弱ってる蜂。


ただ助けたかっただけかも。

もしくはかわいそうと思っただけかも。


けど、なんとなく

想いをよせてるムスメの姿。

それが、

今につながるような気がする。


もともと彼女の中には

人種や宗教や国籍や言語、

そんな後付け要素への

ハードルが低かったんだろう。


わからんかったら、

わかりあえるように。

自分の気持ちに、

貪欲なのかも。


2人は常に話している。

一緒になる前、彼が空港閉鎖で

日本にこれなくなったときでも

ずーっとテレビ電話していた。


何をそんなに話すのか。

話さなくなった私ら夫婦は

ぽかんとしている。


共通言語をもち、

同じ国籍で気心知れてると

思ってるその勘違いや怠慢さも、

つれあいとの関係悪化の原因だと

気づかされる。


それから、2人は動物が大好き。

動物たちもやっぱそれを感じるんだろう。

コンちゃん、メルちゃんは彼女らの

部屋に入り浸っている。


5月も半ば。

昨日田植えも終わったようだ。

蜂がブンブンしてる。


みつばちぐらいだったら

かわいいけど、

やっぱあの黒くて丸いブーンは

苦手。


たぶんこれからも

そうだと思う。


夕飯

ムスメ(下)の

オムライス













*失敗マフィン


生クリームを大量投入した

マフィン。

オーブンの中では、

ふっくらだった。

けど、出したらしぼんだ・・。

罪悪感の塊のような

マフィンだけど、

まあ、たまにはいいか。

ムスメらは意外にほめてくれた。








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