今日は土曜日。
朝起きなくていい。
寝床で気になっていた本を読み、つれあいとたわいもないことを話して
時間は過ぎた。
「食べることと出すこと」頭木弘樹 医学書院
この本はなかなかのヒットだった。
本の帯に 人間は、食べて出すだけの1本の管。(だが、悩める管だ・・・)とあった。
何故に、医学書院。??
潰瘍性大腸炎という難病の闘病記という分類らしい。安倍元首相もこれだったような。
食事と排泄という「当たり前」が当たり前でなくなったとき、世界がどう映るのか?
圧倒的弱者になった著者の立ち位置からみた世界は絶望の連続。
けれど、かわいそうなストーリーではなく、静かに漂う独特のユーモアが、いい。
とても、いい。「食べる」ことの社会的考察ともいえるな。
10章からなる構成で第3章に
「食べることは、受け入れること」 とあった。
そうか、そうだよなと、素直にうなずく。
受け入れなかったとき・・・非難され攻撃され・・・排除される。
私のパートナーは以前こころを患い1か月で10キロやせた。
食べないことが生きることへの否定なのかと思った。
食べないことから病の深さをおもった。
おいしく、一緒に食べることのありがたさを思った当時を思い出す。
今、パートナーは元の体重にもどった。
セッティングされた食事は胃の中におさめてくれる。
いずれ子供たちが巣立ったとき、
この人とおいしい時間を有したい。そう、思わせてくれる本だった。
ちなみに、著者はカフカ研究者という面もあり本の中にたびたびカフカの文言が登場した。
これもちと、気になった。
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