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執筆者の写真まきたひさこ

ありがと、らいちゃん。

ライちゃんが冷たくなってしまった。


昨夜呼吸がへんだった。

しんどそうなライちゃんにメルちゃんやこんちゃんが

顔を近づけてきた。

動物なりに心配しているような空気だった。

明らかにおかしかったので

時間外だったけど動物病院に連れて行った。


血液検査、レントゲン検査をした。

たぶん肺炎かもというのが

先生の見立てだった。


つれあいは朝早くから仕事、状態が急変するかも・・・

で、入院となった。


今朝の8時過ぎに病院から電話があった。

亡くなっていたと。


昨日まで食事してたのに。

と先生に問うと、

動物はぎりぎりまでえらさをだしませんからね。

持病もあったし、

免疫力が低下して一気にきたんでしょうと。


ああ、この子ここに置いといてあげれば

よかったんかなあ。

でも、亡くなっていく姿をみる覚悟がなかった。

そして、怖かった。

そう、わたしはビビっていた。


お母さん動物も最後まで残るのは

聴力だよ。

と、ムスメが言った。


そうか。

一匹で逝ってしまうのはさみしかっただろうに。

一番好きなつれあいが近くにいたらよかったなあ。


ほんとうに後悔が次々と浮かんできて

涙はぽたぽた落ちるし、

ああ、でも一番悲しむのはつれあいだろうな。

うんちやおしっこを手でだして、

えさをあげ、動かない足をマッサージしていたよな。


らいちゃんが来たのは、

2019年5月6日。

かみなりのなった日。

交通事故にあい動けなくなっていたとき

つれあいと目が合った。

そこからのご縁だった。


それから3年と少しうちにいたことになる。

思い起こせばこの3年は怒涛の日々だった。


家族の一人ひとりに人生の分岐点があり、

台風のようなときだった。

だから、らいがきてからの3年は家族の

過渡期。


特に、

生きる気力をなくしかけたつれあいを

唯一ここにとどまらせてくれたのは

らいちゃんだったと思う。

私ではない。


新聞紙と白い布を敷いた箱に入って

ライちゃんは帰ってきた。

ハナノキやあじさい、パイナップルリリーを

いっしょに入れて

つれあいの帰宅を待った。


そして、子供たちに知らせた。

普段はそっけない息子たちがしきりとラインを

送ってきた。

遠方のムスメもすぐに返事があった。

みんなライちゃんのことが好きだったんだな。


死んじゃったなあ。

ほんとに。

正直、長生きはできんかもなあとは思っていた。

3年前一度は死にかけたし、下半身不随もあったので。


箱の中で

花に埋もれて眠ってるライちゃん。


この頃身近な死はなかった。

始まりがあれば終わりがある。

わたしだって確実に死に近づいてるわけだ。

当たり前に生きてるわけじゃないってことを

しばし忘れていた。


うまれて、死ぬ。

有限な人生。


外ではせみが鳴いている。

いましがた降ってた雨は止んだ。

お昼になってムスメはラーメンを食べた。

私は昨日の残りをつまんだ。

こんな時でも食べれる自分がいる。

変わらぬ日常に死がある。


天国のライちゃんは

事故前のように走り回ってるだろうか。

会いたいなあ。

もう一度。

ライの声がききたいなあ。


夕飯 おばあさん

うな重

豆腐の味噌汁

トマトの甘酢漬け

卵焼き




*ポーチュラカ


夏の暑さに強い花。

オレンジばっかりは初めて見た。

場所は未来中心。

葉っぱが多肉系なので

強いんだろうな。

ハチがブンブンしていた。








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