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執筆者の写真まきたひさこ

「結愛へ」 船戸優里

ブルーグレーな感じの空だった。

5時前は。

眠くてもう少し布団にいたかった。

5時半頃は久しぶりのうすいブルーが広がった。


昨夜はつれあいがへこんでいたので、

(仕事がきつかったようで。)

仕方ないので足、首、肩をマッサージした。

娘には何も言わないが、息子のマッサージをすると

なんで俺にはせんのに、こいつにするのかと

いわれるのが嫌でこの頃は娘以外にしてなかった。


やっと読み終えた本がある。

本当に切なく、ページをめくる手が重かった。

「結愛へ」 目黒区虐待死事件 母の獄中日記  船戸優里 小学館


この本に、ごめんなさいは何度でてくるだろうか。

数えてないけど100回以上でてくるのではないか。

彼女は加害者である(かもしれない)と同時に被害者なのに。

もう、泣けてくる。


本の後半、こんな思いが書き留められていた。

「体を張って止めたことが一度でもありますか」

裁判員の質問に・・・堂々とはいと答えることができなかった。

・・・あの場で「からだを張って止めたことは一度もありません」というのは、

あまりに屈辱的だった。そのセリフを言うなら全裸で町を歩き回るほうが、

比べ物にならないくらいましだったと思ったくらい。


彼女を非難する声は多いと思う。

母親のくせに・・とか、被害者づらして・・とか。

でも、もしかしたら・・・。


私のつれあいはたまたま暴力を振るわなかった。

それは別に私の自尊感情がどうのとか、

成育歴がどうのなんて関係ない。

たまたま、運が良かっただけ。

私は彼女だったかもしれない。


あんな男に関わってしまったら、

アリ地獄に吸い込まれるように脱出は不可能だったと思う。

児相や精神科のDrやいろんな職種が彼女に関わっているけれど、

彼女も結愛ちゃんも助けられなかった。

そのくせ、言い訳だけは周到に用意をしている外野たち。


彼女が裁判でどれだけ傷つき、死を願ったか。

その絶望に打ちのめされた状況を想像するだけで、

涙がこみ上げる。

本の最後、彼女は生きようと決意する。

けれど、過去のことを思い出し、夫からの洗脳が

解かれたとき、また自分を呪い結愛ちゃんの元に向かうかもしれない。


地域にでて数年たち、すこしづつ周りがみえてきた。

私は言い訳する外野にはなりたくない。

私の周りにも、優里さんはいるかもしれない。

見えにくく、SOSのだせない彼女のような人がいるかもしれない。

つながりの中で生きている私たち。

もしかしたら自分だったかも。

と、置き換えることで人への見方はかわる。

その想いこそがセイフティネットの根底じゃないだろうか。


なんか、偉そうに書いてしまった。

批判、攻撃しても、正論や正義をふりかざしても、

私一人があがいても何も変わらない。

むしろ、負の連鎖、怒りにつながる。

なるべく平和な気持ちで、争うことなく、

たくさんの人の良心、その輪を大きくできたらいいなと思った。


さあ、気を取り直して夕ご飯。

玉ねぎ、ピーマン、ニンジン、ニンニク、ショウガ

油揚げ、肉をいれた焼きそば。紅ショウガ。

冷ややっこ。

私は、納豆卵に紅ショウガをたっぷりと、

みそ汁に梅干しを入れてのんだ。


明日も1日仕事だ。

早く寝ようと思う。


*ポーチュラカ


花びらにグラデーションが入った

新種らしい。

少し高かった。

道の駅大栄で買った。


多肉系の葉っぱなので夏に強い。

1日花。

なんか元気になれる花だなあ。




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